ごあいさつ
島根県芸術文化センター「グラントワ」は、「島根県立石見美術館」と「島根県立いわみ芸術劇場」の複合施設として、平成17年(2005)10月8日、島根県の最も西に位置する益田市に開館しました。開館当初から美術館と劇場の複合施設であることを活かし、活動を続けています。
令和7年(2025)10月には、いよいよ開館20周年を迎えます。開館当初グラントワを訪れた子供たちは、すでに大学生や社会人になっています。そう考えると、20年間の重みを感じます。20年を経て成熟したグラントワを皆様にしっかりと見ていただくことができるよう職員一同努力しています。
私は、令和4年(2022)8月に、澄川喜一前センター長のあとを継ぐ形でセンター長に就任しました。就任するにあたって島根県知事から「澄川イズムをのこしながら、徐々に自分のカラーを出すように。」との言葉がありました。それ以来、色々な仕事をしながら自分のカラーとは何だろうといつも考えています。
最近その答えの一つが浮かびました。私は益田市内に美術館と劇場の複合施設を作ると当時の知事が発表したころからグラントワに係わっています。建設地の選定にも関わり、益田市内のいくつかの候補地を歩き、地元の方々のご意見を聞きました。また、グラントワのコンセプト作りにもかかわり、当時東京藝術大学の学長をされていた澄川喜一先生の元にも足しげく通いました。設計・施工が始まると、設計者の内藤廣氏の元へも通いました。
知事のおっしゃった「カラー」を「持ち味」とするならば、グラントワの準備中に生じた様々な事柄を自ら経験しているという強みこそが私のカラーになるのではないでしょうか。センター長として意見を求められたり、判断をしなければいけない時に、いつも準備中の自分に相談しながら発言しています。その姿勢は当分続くように思います。
令和7年度の事業は全て開館20周年記念事業と位置づけ、職員一同準備を進めています。20年間続けてこられた感謝を地域の皆様をはじめ、多くの皆様に伝え、今後の10年、20年に向けてさらなる努力をしてまいりますので、グラントワへのご支援ご鞭撻を賜りますようお願いします。
令和7年(2025)3月
島根県芸術文化センター「グラントワ」
センター長 的野克之
活動方針
島根県芸術文化センター
島根県芸術文化センターは、「島根県立石見美術館」と「島根県立いわみ芸術劇場」の複合施設です。この施設は、石見地域の芸術文化拠点として、美術や音楽、演劇などの分野が相互に協調し、誘発し合いながら、多様で質の高い芸術文化の鑑賞機会を提供します。また、石見地域にはぐくまれてきた文化を大切にしながら、地域とともに新しい芸術文化を育むとともに、その創造をめざします。
活動方針
- 芸術を身近に感じる仕組みづくり
- 芸術文化を通したネットワークの支援・育成
- 非日常空間の提供
- 世界に目を向けた情報発信
島根県立石見美術館
- 幅広い視野で多彩な企画展を開催します。また、テーマ性をもった質の高い常設展示を行います。
- 地域や分野、年代にとらわれず、優れた国内外の作品を収集します。
- 美術作品の収集、および展示、保存、また教育普及に関する調査研究を行います。
- 美術に関する理解を深めるための講演会やワークショップなどの教育普及活動を行います。
島根県立いわみ芸術劇場
- 芸術文化を鑑賞する場として、また創造する場としての活動を行います。
- 優れた芸術文化に接することができるよう充実した自主事業を行います。
- 舞台芸術に関する研修機会を提供します。
沿革
平成12年9月 | 島根県芸術文化センター(仮称)整備基本計画策定 |
平成12年11月 | 島根県芸術文化センター(仮称)設計競技参加7社を決定 |
平成13年3月 | (株)内藤廣建築設計事務所案を設計競技の最優秀作品に決定 |
平成14年11月 | 建設着工 |
平成17年10月8日 | 開館 |
平成19年7月20日 | 第48回BCS賞(建築業協会賞) 受賞 |
平成19年2月6日 | 第14回しまね景観賞大賞 受賞 |
平成20年9月 | 第14回甍賞金賞 受賞 |
平成20年10月 | UD賞(アーバンデザイン賞)2008 受賞 |
平成22年10月 | 第12回公共建築賞・特別賞 受賞 |
平成25年1月 | 平成24年度地域創造大賞(総務大臣賞) 受賞 |
主要施設

大ホール
島根県内最大面積の舞台に最新の吊物機構や走行式音響反射板などの設備を備え、ミュージカルやコンサートなど多様な舞台芸術を上演できます。1,500人収容(1階993席、車イス4席、2階503席)の客席は、舞台を見やすいよう舞台に向かって緩やかな円弧状に配置されています。

展示室
趣向の異なる大小4つの展示室を活かして、スケールの大きな企画展を開催します。また、森鴎外ゆかりの美術家の作品、石見の美術、ファッションなど、所蔵コレクションも展示します。

小ホール
吊物機構や音響反射板などの設備を備えた舞台では、演劇や室内楽、講演会などが上演できます。客席は400人収容で、舞台との近さが身近な雰囲気を醸し出します。

美術館ロビー
総合案内カウンターでは、美術館や劇場など館内の催し物についてのご案内や美術館のチケットを販売しています。 アートライブラリーは、美術や音楽に加え、映画やファッション、建築などの専門書や雑誌を自由にご覧いただけます。

回廊
回廊の床材には、花梨を使用しています。各所に設置されたベンチに座って中庭広場を眺めていただくこともできます。

多目的ギャラリー
自由な作品発表の場として活用いただけます。また、様々な教育普及活動も実施します。

スタジオ1
大ホール主舞台と同じ大きさのスタジオと小規模練習に適したスタジオ2の2室スタジオがあります。公演のリハーサルの他、ミニコンサートなどにも利用できます。

スタジオ2

中庭広場
1辺25mの水盤は、中央が最深12㎝のすり鉢状になっており、湧き出た水が四方に流れスリットから地下タンクに流入し循環しています。 風のない日は「水の鏡」が建物やまわりの風景を映し、水の流れる優しい音が響きます。
シンボルマーク

このシンボルマークは、島根県を示すアルファベットの「S」と石見を示すアルファベットの「I」で構成され、また日本海の遠望を連想させる奥行感も加味してデザインされたものである。アルファベットの「I」のオレンジ色のイメージは石州瓦の色を連想させるだけでなく、他の色との組み合わせで色彩豊かにすることで、美術館とホールの文化施設を晴れやかに謳い上げることをイメージさせる。
矢萩喜從郎
モニュメント

モニュメント「おろち」は御影石で製作され、日本を代表する石見神楽からイメージを継承した、“親しみのある”大蛇(おろち)をテーマとする。 おろちの「おろ」は、古語で、高い峰や丘を意味し「ち」は神を表す、竜・蛇形の鬼、神は地上、水中、空中に住み、宇宙を自在に支配する力を持つと云う。楽の音に乗れば一瞬にして天に駆け昇るエネルギーを秘めている、創造の自在神である。 美術・音楽をはじめ石見を代表する文化創造の殿堂となる「グラントワ」は、石州瓦に覆われて凛とした外観を持つ。この建築に呼応させるため、曲線によるリズム感を巨石に刻み環境に最も適した彫刻とした。 また、彫刻が隙間をくぐり抜けられる空間を包有すること。ベンチとなるおろちの背中、口や鼻の穴などは気軽に触れることができ、親しみのある彫刻とすること。なによりも、益田でしか見ることのできない「グラントワ」独自のモニュメントとなるよう留意した。 そして、これからの山陰地域が貴重な歴史遺産を中心とした地域の文化力を発信しつつ文化立県として今後大いに発展することを祈念し、心を込めて制作した。
澄川喜一
愛称

愛称は、全国からご応募いただいた16,456点の作品の中から、厳正なる審査の結果、山口県の河原央明さんの作品「グラントワ」に決定いたしました。 「グラントワ(Grand Toit)」はフランス語で「グラン=大きい」、「トワ=屋根」の意味を持ち、島根県が誇る石州瓦をもちいた切妻(きりづま)屋根が特徴のひとつである当芸術文化センターをうまく表現しています。同時に力強さ・雄大さ・広がりを感じさせる語感があり、芸術文化の拠点にふさわしい愛称として決定いたしました。
施設要覧
島根県芸術文化センター「グラントワ」の施設要覧は、以下からご覧ください。
島根県芸術文化センター「グラントワ」施設要覧(PDFファイル/変形A3・15ページ/26.5MB)